Options:

憧れを叶える

子供の頃から、タクシードライバーになりたかった。昔、よく乗っていたタクシーの運転手が、とても優しく、そして運転している姿が格好良く見えたからだ。
子供の頃のこういう体験を元に、将来の職業を決めるという人は多いのではないだろうか。それがよく、サッカー選手だったり、野球選手だったりを生んでいることを考えると、タクシードライバーがそこから生まれたって、全然おかしくないことのように思う。

タクシーの運転手になるために、大学を卒業する前に運転免許を取得した。タクシードライバーには第二種運転免許が必要だが、第二種運転免許を取得するためには、第一種運転免許を取得してから三年以降でなければならない。つまり、大学をストレートに卒業するのなら、二年次までに免許を取得していなければ、卒業後すぐにタクシードライバーになることはできないのだ。

普通、タクシーの運転手なんて、大学を卒業してすぐになるものではない、と言われている。もっと歳を取った人が、転職先に選ぶのがタクシーの運転手という仕事だ。だいたいのタクシードライバー求人にも、そういったことが書かれている。求人情報誌に乗っている写真も、軒並み、四十代、五十代ばかりだ。若い人はほとんど見たことがない。

だがそれでも、自分はタクシーの運転手になりたかった。求人情報に若い人がいないなら、自分がその若いタクシードライバーになってやろう、と思った。
サッカー選手や、野球選手に比べたら地味で、目立たないかも知れないが、きっとサッカー選手や野球選手だって、日常でタクシーの運転手が一人もいないと困るに違いない。絶対に、タクシードライバーは必要な仕事だと思う。

求人情報に掲載されたタクシー会社に連絡するとき、自分の年齢がどのように評価されるのか、少し不安で、そしてとても楽しみだった。

Comments are closed.